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内径切削

内径切削

中グリ加工とも呼ばれている内径切削は、外径切削と比べて難易度が高いです。

その理由の一つとしては、切削している様子が実際に見えないということがあります。

外径切削との違いを抑えながら、上手く加工を行うためのポイントを解説していきます。

・少ない段取りでの内径加工

内径用バイトにて最初から最後まで加工を行うことも可能ではありますが、もっと効率的に行う方法があります。

加工を始める内径が目的とする内径より大幅に小さい場合、心押台を用いたドリル加工にて時間を短縮することが可能です。

例)穴なしのワークに対してΦ25mmの内径加工を行う場合

まず、大前提として内径加工は下穴が空いていなければ行うことはできません。

そのためまずは端面仕上げ→センター加工→ドリル加工で下穴を用意します。

この下穴加工をどの程度まで行うかによって加工時間が大幅に変わってきます。

この例であれば、所持しているドリルのサイズがΦ25mmに近いものがあればあるほど時間の短縮ができます。

加工例として、「センター加工→Φ5mmドリル→Φ10mmドリル→Φ13mmドリル→Φ20mmドリル」のようにすれば時間の短縮ができます。

更に、目的内径に近いドリル加工を行うと、大きいバイトを選択できるというメリットがあります。

以上から、「目的内径までできるだけドリル加工で下穴の準備を行い、その下穴加工に対応したできるだけ最小加工径が大きいバイトにて仕上げ」ということが一番の理想形であるとわかります。

・事前のシミュレーションが特に重要

どのような加工でもそうですが、内径切削の場合この事前のシミュレーションが特に重要となってきます。

加工の考え方の順番

以下の手順で決めていきます。

行いたい加工の決定→(機械の選択)→バイトの選択→ワークのチャッキング方法→切削の段取り→各部干渉の再確認→実際の加工

安全かつ効率的に実際の加工を行うまでにこれだけのことを事前に考えてシミュレーションを行っておく必要があります。

1.行いたい加工の決定

当たり前ですが、どのような寸法に加工したいかを決めておきます。

これが決まらなければどのバイトを使うか、チャッキングはどうするか、段取りは、とつなげていくことができません。

基本的にどの加工でもそうですが、ゴールから逆に考えていくと他の要素が決まりやすいです。

2.バイトの選択

内径切削の場合、外径切削と違ってバイトの選定が重要となります。

具体的な選び方としては、内径用バイトには「シャンク高さ」・「最小加工径」の2つの要素があります。

使用する機械に対して取り付けられるシャンクのものと、加工を始める内径に対応した最小加工径のものをそれぞれ選択します。

突き出し量に関しては穴の深さによって最小の突き出し用とします。

当然ですが、突き出し量が多いと加工の際にビビりが発生しやすいですし、バイトのたわみによって芯高が変化することもあります。

3.ワークのチャッキング方法

内径加工ですのでもちろんセンター支持は行なえませんから、突き出し量が多い場合は振れ止めを活用しましょう。

また、行う加工が貫通する加工である場合、チャックのサイズにも注目する必要があります。

チャックの貫通穴径より行う内径加工の目的内径が大きい場合、貫通する際にチャックの爪や端面にバイトが当たってしまうことがあるため、注意しなければいけません。

具体的な対策としては貫通する際の逃げを確保するためにチャックングする側のワーク端面とチャックの間にリング状のジグを挟み込むなどが考えられます。

4.切削の段取り

内径バイトによる切削だけではなく、その前段階の下穴加工も重要です。チャッキング方法でも触れましたが、ドリルも貫通穴以上のサイズになるとチャックへ干渉してしまうので注意が必要です。

内径バイトでの切削は外径切削と異なり、実際に加工部分が見えませんし、送り方向も反対だったり、バイトの勝手によっては主軸の回転方向も逆になってしまうため、充分慣れてくるまでは荒取りをどれくらいの切り込み量で何段階行い、仕上げにつなげるのかを十分考えておきましょう。

5.干渉の再確認

バイトやドリルの干渉についてはチャッキングで充分確認できたと思いますが、バイトを送っていった際に送り台や刃物台がチャックやワークへ干渉しないかについても充分確認を行っておきましょう。

6.実際の加工

これだけの準備を行ってやっと実際の加工へと移ることができます。

内径加工はバイトの突き出し量が多かったりバイトの固定方向が違うので、切削の際にビビりが発生しやすいため、違和感を感じたら条件を見直してから再開するといいでしょう。





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