内径用バイト
内径用のバイトは加工のシーン別に数多く存在します。また、同じ加工だとしても深さや内径の違いにより別途用意しなければ行けない場合もあります。
・内径バイトの適合について
・内径への適合
内径バイトは外径バイト以上にワークへの干渉が問題となります。特に、第一に内径に対してバイトが入るかという問題があります。
以下の図はワークに対してバイトがどのように干渉するかをまとめたものです。
�ヽ扱促丱ぅ箸砲篤盞族湛�を行う
左上のパターンは外径加工用のバイトをそのまま用いた場合です。芯高を合わせると軸方向から見て刃先の下部がワークに干渉してしまいます。
これを回避するために内径加工専用のバイト（中ぐりバイト）があります。
��中ぐりバイトにて内径加工を行う（加工内径→大）
右上のパターンは中ぐりバイトを用いて内径加工を行う場合です。外径バイトのように干渉が起こらないため、芯高を合わせて加工が行なえます。バイトの芯高合わせで解説していますが、芯高を合わせないと送りハンドルのメモリと実際の送り量が合わないため、精密加工を行う際に不便です。
�Ｃ罎阿螢丱ぅ箸砲篤盞族湛�を行う（加工内径→小）
右下のパターンは中ぐりバイトを用いて小さい内径の加工を行う場合です。中ぐりバイトには適合する最小加工径があり、基本的に図の通り最小加工径未満は干渉が起こるため加工は行えません。
�っ罎阿螢丱ぅ箸砲篤盞族湛�を行う（芯高を高くする）
左下のパターンは芯高を高くすることにより最小加工内径を若干小さくする場合です。��でも触れましたが、メモリに対して送り量が変わるというデメリットがあります。
・深さへの適合
内径加工は内径もそうですが、外径加工にない深さという概念があります。当たり前ですが、目的の深さまでバイトが届かなければ加工が行なえません。
�（�理的に届かない深さへの加工は不可能
市販されている内径バイトはどんなに大きなものでも全長が500mm程度です。更にそのサイズとなると小型旋盤の刃物台には取り付けられません。
小型旋盤用の中ぐりバイトは長くて100mm程度です。それ以上の深い加工を行いたい場合、貫通穴であれば逆側からの加工できる場合がありますが止まり穴であれば諦めるしかありません。
�▲轡礇鵐�が太いほうが突き出したときに効率的に加工できる
中ぐりバイトの選択法として、加工内径に対して使用するバイトの最小加工内径が近いほうが効率的に加工が行えます。要するに、できるだけシャンクが太いバイトのほうが剛性があるため長く突き出したときに多く切り込みが行えるということです。
以上のことから中ぐりバイトは小径用・中径用・大径用と持っておくといいでしょう。
�Ｄ垢て佑�出しには少切込み・シャンク材質でカバー
小径の加工で長い突き出しを伴う深い加工を行う場合、バイトの剛性を超える負荷には耐えられません。このような場合には切り込み量を小さくとり、切削回数で稼ぎましょう。
また、スローアウェイの中ぐりバイトには超硬シャンクバイトという物があり、一般的な工具鋼材質のバイトに比べて剛性が高いためビビリを抑えられ、切り込みも多く取ることができます。
