四爪チャック応用
4爪チャックは正確にワークの芯出しを行えるだけではなく、様々な形状のワークをチャッキングすることに長けています。また、偏心加工になくてはならないツールです。
・長方角材のチャッキング
角材を3爪チャックでチャッキングする場合はコレットなどのアダプターを使用する必要があるため、角材の対角線長が最大でもチャックの対応径未満である必要があります。
同サイズの4爪チャックでは爪の方向を入れ替えることでそれを超えるワークをチャッキングすることができます。(4爪ではコレットを用いなくていい分、対角線長ではなく長辺長さが最大チャッキングできる長さとなる)
画像準備中
予めチャッキングしたいワークの短辺・長辺寸法を測っておきます。
画像準備中
長辺寸法が通常の爪の開口範囲以上である場合、その辺の面を支持する爪の方向を逆に変更します。
4辺全て爪で支持することができます。
・ワーク内径部の芯出し・偏心
チャッキングの方法はこれまでに解説した方法にて行えますが、芯出しを行う場合、ワークの形状により行いやすい場合とそうでない場合があります。
ワークの形状が丸物であれば外径部にダイヤルゲージを当ててフレを測定すればいいですが、角材であればできません。空いている穴を基準に芯出しや偏心を行いたい場合はテコ式ダイヤルゲージが必要です。
このような場合は基準としたい穴と簡単に製作できる芯出しツールを用いて行っていきます。
・先端がテーパー形状のテスト棒を製作する
先端がテーパー形状のテスト棒を芯出しを行いたい穴と心押台にて支持し、主軸を回転させることでテスト棒の偏心量からどの程度フレているかがわかります。
例えば芯出しを行いたい穴の径がΦ10mmであればそれを超える径のテスト帽を用意します。テスト帽の外径はできるだけ太いほうが精度良く測定できます。
テーパー角度は特にこれという角度はありませんが、あまり尖りすぎていると抜けなくなってしまうため、こだわりがなければ90°程度で製作すればOKです。
・芯出しを行う穴へテスト帽を取り付けフレを測定する
製作したテスト帽をワークと心押台で支持し、チャックを回転させてテスト帽のフレを測定します。
測定はワークにできるだけ近い位置の方が振れ幅が大きく、わかりやすいため近い位置での測定を行います。
チャックの爪にワークが隠れてしまい、外径部によるフレ測定が行えない場合などもこの方法により測定が行えます。