ダイス加工
ダイス加工はタップ加工と同様に、手動で行う場合は芯を出して加工するのが難しいです。特にダイス加工の場合、タップと違いスコヤなどでまっすぐに挿入できているかを確認できないため特に難しい作業です。
ダイス加工も旋盤を用いて行えば真っ直ぐに加工することが可能です。
・ダイス加工段取り 1ダイス加工部分の下加工
ダイス加工はタップ加工と違い、ねじ切り加工前の仕上げ径が異なります。基本的には加工を行うねじサイズより-0.1mm程度の径で加工を行えます。(1)
例) M10であれば下加工径が9.9mm
1.今回はM6P1.0のダイスを使用するためΦ5.9mmにて下加工を行いました。また、初期切込みが行いやすくなるように面取りを行っておきましょう。
加工時にかなりキツかったり、ねじ山形状に違和感があるようであれば±0.1mm程度の調整を行いましょう。
・ダイス加工段取り 2ダイス加工
ダイスには向きがあり、刻印等がしてある方にワークを挿入していきます。
見比べてみると切れ刃の付き方が挿入面の方がテーパー形状になっています。
心押台でダイスを平行に押し付けてダイス加工を行っていくので、裏面がダイスホルダーの装着面に出るよう取り付けを行います。(2)
2.逆向きだとダイスホルダーの部分に心押軸が当たるため平行にダイスをすすめることができません。
タップ加工の応用編と同じで送り台やベッドにハンドルを当てて回り止めにします。(3)
タップ加工と同様にタッピングペーストやタッピング用の切削油を塗布しましょう。
3.ハンドルが短い場合は送り台を移動させて刃物台へハンドルを当ててもいいでしょう。
3〜4山程度切り込めば十分安定するので心押台を離して手動にて加工を進めても問題ありません。
ダイス加工でも精度良く芯を出して加工が行えました。
タップ加工に比べて先端のバリが出やすいため、加工後にペーパー等で仕上げましょう。