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[ G2/G3 円弧補間(移動)
    ※Gコードを手打ちする上級者向け(CAMを使う場合は不要です) ]

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G2/G3は円または円弧の移動を行う指令です。
G2が時計回り、G3が反時計回りに移動を行います。旋盤上ではX軸が中心に向かってマイナスとなるため加工者から見ると逆になる点に注意。

・作業平面の指定
主にフライスではXY平面、旋盤ではXZ平面を指定するイメージ。
フライス→ フライス正面に立った加工者から見て上から見下ろした面がXY平面
旋盤→ 旋盤正面に立った加工者から見て上から見下ろした面がXZ平面
各軸が上記画像のようになり、矢印方向がプラスとなります。
中心へのオフセットを指定する際にはそれぞれI、J、Kの値で指定します。

G17→XY平面、オフセット指定 X→I、Y→J
G18→XZ平面、オフセット指定 X→I、Z→K
G19→YZ平面、オフセット指定 X→J、Y→K

フライスではG17を使用してXY方向での加工が基本となりますが、G18/G19を指定したXZ平面、YZ平面の加工も行えます。例として、主軸台を90度傾けてワークの側面に加工をする際にはG19を使用します。
旋盤では複合旋盤などでない限りY軸がないため、G18のみの使用となります。



中心座標指定のG2/G3


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G2/G3には円弧の中心座標をI、J、Kを使用して指定する方式と円弧の半径Rを指定する二つの方式があります。後者の方が座標の指定が簡単ですが、円弧の大きさによっては誤差が生じるため精度を気にする場合は中心座標を指定する方式の方が良いでしょう。

上記図でA地点からB地点までの円弧移動を例にします。Aがスタート地点でBが エンド地点となる移動、すなわち 時計回り方向の移動がG2となります。逆に、反時計回りはG3を使用します。

基本的に、時計回り=G2、反時計回り=G3と覚えても問題ありませんが、旋盤での使用の場合は平面が異なったり加工者から見たときの軸方向が違うため軸の方向もセットで覚えておくと良いでしょう。旋盤のCAMで出力したGコードで反時計回りのはずがG2を使用しているという場合はXの軸方向が反転しているからです。


G2(時計回り、A地点からB地点まで)

G0 XA YA        1. スタート地点座標
G2 XB YB I○ J○ F○  2. エンド地点座標、XYオフセット、送り速度
            3.(G2以外のGコードを実行しない限り、以降もG2が継続)

1. スタート地点の座標は原点からの座標(絶対距離)です。

2. エンド地点の座標も絶対距離ですが、相対距離、すなわちスタート地点からの増分距離での指定も行えます。その場合は以下の例のようにG2宣言の前にG91を宣言します。

・絶対座標(G90)による指定
  G1 X7 Y8 F50       スタート地点
  G2 X22 Y20 I10.301 J2.499  エンド地点、XYオフセット


・相対座標(G91)による指定
  G1 X7 Y8 F50       スタート地点
  G91 G2 X15 Y12 I10.301 J2.499  エンド地点(スタートからの増分)、XYオフセット
  G90 それ以降のコード   G90宣言で相対座標モードを終了する

図面から寸法を計測する際、原点からの計測よりスタート地点からの計測を行った方が早いこともありますのでそういった場合に便利です。ただし、G2処理が終了した後(次の行の一番最初)にG90を再度宣言して絶対距離モードに戻す必要があります。また、プログラム全体を相対座標モードで作成している場合はキャンセルする必要はありません。

XYのオフセットはそれぞれI、Jにて指定します。こちらは プログラムが絶対距離モードであってもスタート地点からの相対距離で指定します。
注意しなければいけないのが、円弧の中心位置です。オフセット値は絶対値ではなく、各軸の方向成分も含めなければいけないため、スタート位置からプラス方向にあるのかマイナス方向にあるのかをきちんと把握する必要があります。先ほどの図でいうと、A地点がスタートとなるG2であればオフセット値はI、Jともにプラスですが、B地点がスタートのG3の場合、B地点から見て中心がマイナス方向にあるため距離の先頭にマイナス符号をつけます。
座標は間違っていないのにエラーが出てしまう、という場合は中心の位置を確認してみて符号のつけ忘れがないかみてみると良いでしょう。


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3. また、例として上記図のようにYのオフセットと中心が同一(オフセット値がゼロ)の場合、Yの値は以下の例のように省略可能です。(J0と入力しても問題ありません)

G1 X5 Y10 F50
G2 X25 Y10 I10

他の平面や、オフセット値ゼロとなる軸が違う場合でも同様に省力可能です。

 スタート地点への移動がG0だった場合、G2宣言時にF値を指定しないとエラーとなります。G2での移動速度がすべて同じである場合はスタート地点への移動をG1で行っておくか、最初のG2宣言時にF値を指定しておくと良いでしょう。


4. G2以外のGコードが宣言されない限り、G2移動はその後も継続します。例として、他の場所へ退避せずに複合Rの加工を行う場合などはその次の行でもエンド地点の座標を宣言した後、それに対応するオフセット値を宣言して継続します。送り速度が同一である場合、F値の宣言は不要です。

G1 X7 Y8 F50
G2 X22 Y20 I10.301 J2.499




G3(反時計回り、B地点からA地点まで)


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先ほどの例の円弧移動を単純に時計回りから反時計回りへ反転させる場合、以下のようにスタート地点とエンド地点の座標を入れ替え、オフセット値の変更が必要になります。(上記図の例ではオフセット値がI、J共にマイナスになります。)

G0 XB YB
G3 XA YA I○ J○ F○

その他の条件や指定の仕方はG2と同一なので、スタート地点とエンド地点、オフセット値に注意すれば特に変わりません。


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ちなみに、同一座標でG2⇔G3のみの変更を行うと上記図のようになってしまうので注意が必要です。フライスなどでダウンカットアップカットの変更を行う際などはG2、G3の変更のほかにもスタート地点&エンド地点の入れ替え、オフセット値の再設定が必要であると覚えておくと良いでしょう。




半径距離指定のG2/G3

G2(時計回り)の例
G0 XA YA
G2 XB YB R○ F○


画像-509

半径座標指定のG2/G3はシンプルで、上記図でいうRを先ほどのオフセットの代わりに指定するだけになります。注意する点としては、円弧角度が180度を超える場合は以下の例のようにマイナス符号をつける必要があります。スタートとエンドの座標、半径距離のみの情報では円弧が2種類存在することになるため、指定する必要があるからです。

G1 X22 Y20 F50
G2 X7 Y8 R-10.559

 そのほかの条件や指定の方法は中心座標指定の場合と同じなので、円弧角度が180度以上か180度未満かに気をつければ良いでしょう。



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